銀行など、お金を扱う会社では、社員に向けた監視カメラは必要だと思います。
しかしお金など取り扱っていない、しかもワンマン社長の会社に監視カメラを設置したとしたらどうでしょう…!?
社員にしてみたら間違いなく「法律的にどうなの?」「信用されてない?」と疑心暗鬼に陥り、不快な気持ちになると思います。
以前勤めていた会社では、いきなりの監視カメラを設置したことに、不満を抱えた社員が退職するほど、大きな動揺が走りました。
今回、会社側が監視カメラで、社員をチェックするのは、法律的にどうなのかということをまとめてあります。
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Contents
会社が監視カメラで社員をチェック!法律的に問題はあるのか?
結論から言えば、職場に作業監視を目的とした監視カメラを設置しても問題はありません。
なぜなら、就業中は私的な時間ではないからです。
監視カメラは、社員の就業状況を管理するための業務の効率化の手段として、一般に認められています。
今では多くの小売業の店舗やオフィス、工場などで監視カメラを設置されており、コールセンターでは会話の内容まで記録されます。
作業の監視が違法というなら、相当数の企業が違法行為をしていることになってしまいます。
ちなみに、平成24年5月判決(東京地裁)では、監視カメラで自席を常に監視され、プライバシーを侵害された」という訴訟に対し、判決は「カメラ設置の目的はセキュリティの向上であり、特定の個人を監視するためのものでなく事務所全体を見渡すものであるから、プライバシー侵害には当たらない」として、社員の訴えを退けていました。
基本的に防犯カメラは社員の安心安全の為に活用される事に設置するのであれば、違法ではないということです。
プライバシー侵害にならないのか?
しかし、作業監視目的の防犯カメラ設置には、いくつかの重要な注意点もあり、それを知らずにやり方を間違えると、プライバシーの侵害に当たります。
休憩中や、職場外でのプライベートでの行為を監視の対象とすること、また個人的な感情や好奇心といった動機から監視を行うことはプライバシーの侵害となります。
ですから、トイレや更衣室はプライベート空間であるため、このような場所に防犯カメラを
設置することは違法となります。
ちなみに、プライバシーの権利の1つに肖像権があります。
肖像権とは、他人に写真や動画を撮られること、それらを無断で利用することに対して異議
を主張できる権利です。
プライバシー侵害の判例として
【関西電力事件】(最高裁第三小法廷 平成7年9月5日判決)
特定の社員を孤立させることを目的に、職場の内外において、尾行、電話相手の調査、ロッカーを無断で開け私物を撮影する等の継続的な監視を会社が行ったことは人格権の侵害とされました。
共産党員またはその同調者であることのみを理由として、職場内外で監視する体制をとったり、当該労働者を職場で孤立させ、ロッカーを開けて私物の写真を撮ったことは、名誉を毀損しプライバシーを侵害するもので、不法行為を構成する。(H7.9.5 関西電力事件)
— 労働法判例bot (@rouki_hanrei) August 24, 2019
【岡山電気軌道事件】(岡山地判 平成3年12月17日判決)
使用者が従業員控室に盗聴器を設置して会話を傍受することはプライバシーの侵害とされました。
使用者が組合活動に関する情報収集のため従業員控室に盗聴器を設置した事件で、使用者の行為が労働者らのプライバシーを侵害するものであるとして、労働者らに各5万円の慰謝料を認めた岡山電気軌道事件(岡山地判平3.12.17 労判606-50)です。https://t.co/A2WYzWPf5Y
— 浅井秀和 肩書きはありません (@hidekazuasai) December 22, 2018
会社がプライバシー侵害をしていないか、社員もチェック
経済産業省発表のモニタリングに関するガイドラインを見ますと、4つのポイントがあります。
- 防犯カメラを設置する理由を特定し、その理由を全従業員に告知すること。
- 防犯カメラを設置する責任者を明確にし、権限の範囲を定めること。
- 防犯カメラに関する社内規定を策定し、設置前に社内で徹底させること。
- 正しく防犯カメラが利用されているか、第三者がチェックすること。
この4点を会社側がしっかり守られていることが重要です。
社員はこのポイントを押さえ、会社が間違った使い方をしていないかチェックしておくことも大事です。
会社が監視カメラ設置したことでモチベーションが激減したことも
私が以前勤めていた会社の話です。
元々ワンマン社長が全てを牛耳るブラック企業でした。
社長の言うことは絶対で、少しでも反発社員には、すぐクビにするという会社でした。
口癖も「嫌ならいつまでも辞めていいぞ」でした。
ですから幹部や上司はもちろん、社員達は常に、社長の顔色をうかがいながら、仕事をしているという感じでした。
そんな時に起きたリーマンショックと言われた大不況。
会社の業績は激減。
そこで始まったのが、大量のリストラです。
まず派遣社員は全員解雇。
そして社員に対しても、普段からミスや欠勤の多い社員には、上司や幹部達から、嫌がらせの説教があり、暗に”辞めろ”という圧力がかかりました。
さらに、この時に監視カメラも設置され社員の動きをチェックし、評価の対象にすると社長が言い出しました。
設置以降、社員から笑顔がなくなり、社員間のコミュニケーションも減り、殺伐とした環境に、会社全体の雰囲気は最悪になっていきました。
この時は今みたいにプライバシー侵害やモニタリングといった言葉もあまり浸透されていない時代です。
ワンマン社長のやりたい放題(監視カメラ設置)に、私を含めた社員は”監視されている”といった不快な気持ちを持ちつつ、辞められないという複雑な気持ちを持っていたと思います。
と同時に、間違いなく社員のモチベーションは低下したことが、なかなか会社の業績が上がらなかった一つの要因だったと、今さらながら思います。
会社の監視カメラに不快な思いするなら、今すぐ転職を考えるべき
私は監視カメラが設置されてから、常に不快感をもっていました。
しかし「辞めても次の会社は見つからない」と決めつけ、我慢していました。
結局、数年後に別な理由で会社を辞めて転職しましたが、「あの我慢は無駄だった」と今でも思っています。
当時と違って今では、転職が当たり前となっています。
監視されていることに、不快な思いをしているなら、私みたいに、貴重な時間を無駄にしない為にも、転職活動をはじめてみるのもアリだと思います。
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